「インバスケットって何?」のストーリを読み、あなたならどう対応するか考えてください。制限時間は20分です。
在庫だけ確認したら、後は後輩の崎山に手配させよう。 勝也はオフィスへ急ぐ。
パソコンの電源を入れる。 勝也が椅子に座った瞬間に、数人が勝也のもとに向かってくる気配を感じる。 “うわ、いま用事を言わないでくれよ。時間が無いんだよ、あ、崎山発見” 「おーい、崎山さん、ちょっといいかな」 「あ、先輩会議お疲れ様です。大丈夫なんですか。今日、海外行かれるんでしょ。ゆっくり座っていて」 「いやいや、ゆっくり座っているわけじゃないよ。ところで、マークホームセンターにPF-1を2000台手配して欲しいんだよ。いま在庫確認するから、納品の手配頼めるかな」 「おー!すごいじゃないですか。やりますね!先輩。マークホームセンターって、そんな大手でしたっけ?」 「企画か何かするんだろ。年内納品だからね。頼むよ。」 「わかりました。ところで先輩、昨日お貸しした私のコピーカード返して欲しいんですけど・・・」 「えっ。返してなかったっけ、悪い悪い、えーと、あれないな・・・少し待ってくれるかな」 「わかりました。必ず返して下さいよ」
“えっと、昨日コピーカード借りて、ひょっとしたら、コピー機に差し込んだままか・・・。” 勝也はコピー機に行く。 コピー機の周りを探していると、課長が近づいてきた。 「おー大西、いいところに。悪いけど、このコピー10部刷ってくれないか」 “うわ、まず。。。じかんがないっつーの”
「いや、課長、今ちょっと立てこんでまして・・・」 「何言ってるんだ、コピー機の周りを熊のようにうろうろして、なにが立てこんでるだよ。すぐできるだろ。大至急頼むよ。 よろしくな。」 そう言って無理やり書類を渡される。 “ったく仕方がないなあ。”
“マジかー。また誰かにコピーカード借りないとな。” 遠くから崎山の声がする。 「大西さーん。電話でーす。3番です」
“おいおい、電話って誰からだよ。相手先を言えっつーの。ったく”
勝也は自分の机に戻る。電話を取る 「はい、大西です。総務課・・・あ、どもども」 「え?新年会の出席メンバーの件。メールで送ってくれているんですか?わかりました。見ておきます。 はい。どーもご苦労様です」
“なんだよ。新年会どころじゃないって。こっちはオーストラリアで年を越せるかどうかの瀬戸際なのに・・・。” “メール。メール。うわっつ。いっぱい来ているよ。総務課・・・これか。” “なになに、緊急、重要。今日中に参加者返信だって。1月10日?予定確認しなくちゃ”
“お、ちょっと待てよ。なんだこれ・・・。 株式会社マーク産業倒産だって。先日発表。マーク産業はマークホームセンターの親会社じゃないの?マークホームセンターは営業継続見通しだって・・・。 よかった。でも、大丈夫かなあ。
あ、横田がいた。あいつ、確かマークホームセンターに今日納品行ってきたな。 「おーい、横やん。マークホームセンターで何か変ったことがあったか?親会社倒産しちゃたんだよ」 「え?マジですか。いやですねえ。この年の瀬に・・・不景気ですからね。マークホームセンターは・・・うん。 あんまり変わりがなかったですよ。大丈夫じゃないですか」
「あ、そう、サンキュ。悪かったね」 「いえいえ、それより、もうすぐ18時ですけど大丈夫ですか。今日は18時ぴったりに出るぞーって言ってましたよね」 「おーヤベ、こんな時間か」
おいおい、あと10分しかないよ。 PF-1は在庫2200か。 よし大丈夫。 待てよ、コピーカード探して崎山に渡すのと、あ、課長のコピーも、総務課の新年会のスケジュール確認・・・。
うわ、どれからすればいいんだ。 やばい、なんでこんな仕事納めになるんだよー。
※「インバス」「インバスケット」は株式会社インバスケット研究所の登録商標です。
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