『わたしのそばできいていて』重版のお知らせ
『わたしのそばできいていて』リサ・パップ 著 / 菊田まりこ 翻訳
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できないこと・まちがえることがこわい、すべての子たちに
図書館でであった犬が教えてくれた――「まちがえたって、だいじょうぶなんだよ」って
マデリーン・フィンは、字を読むことが大の苦手。
だから、学校の国語の時間に、音読をあてられても、うまく読めません。
つかえるたび、まちがえるたびに、クラスのみんながくすくす笑う声がきこえてきて、逃げ出したくなるのです。
「よくできました」の星のシールをもらえないのは、マデリーンだけ。
そんなとき、図書館で1ぴきの大きな白い犬と出会います。
犬はマデリーンがどんなにつかえても、まちがえても、笑うこともせかすこともしないで、じっとマデリーンが本を読むのをきいてくれます。
こんなに下手なのに、それでもそんなふうに私の言葉を待ってくれるの?
マデリーンも少しずつ、本を読むことが楽しくなり、人前で音読するのもこわくなくなっていって――。
そばにいて、せかすことも、しかることも、注意することもなく、ただじっと待ってくれている犬の存在が、「自分はダメ」とかたくなに思いこんでいる少女の心をとかしてくようすが、私たちにいろいろなことを教えてくれる絵本です。