● 発行年月 | 2024年11月刊行 |
● 価格 | 定価 1,650円(税込) |
● 判型 | 四六判 |
● 装丁 | 並製 |
● ページ数 | 160ページ |
● ISBN | 978-4-86621-489-4 |
「君は特別だからだよ」
「家の人はわかってくれてないんじゃない?」
「みんなやってることだよ」
「おれがなんとかするから大丈夫」
「君は、はずかしいことをしたんだよ」
性的グルーミング=言葉巧みに対象(主に子ども)を手なずける、性犯罪の準備行動
社会を大きく揺るがしたあの性加害問題をきっかけに、
メディアなどで聞くことが増えた言葉、「性的グルーミング」。
加害者は、子どもの素直さや従順さ、
あるいは思春期特有の悩みを利用し、
わいせつ目的で被害者と「信頼関係」を築きます。
周囲も、そして場合によっては被害者本人でさえも、
その被害に気づけないことがある、
複雑で難しい準備行動が「性的グルーミング」なのです。
SNSがコミュニケーションツールとして広がったことで、
その手口はより複雑化・巧妙化しています。
実は、SNSでのやり取りから被害に巻き込まれるケースは、
子どもによる書きこみがきっかけになる場合が7割強というデータがあり、
加害者からではないという傾向が明らかになっています。
SNSのような外部から「閉ざされた」場が、
被害を生む温床になっていると言えます。
SNSに限らず、外部から「閉ざされた」場は日常に紛れ込んでいるのです。
悪い大人はどのような手口で子どもに近寄り、
信頼を獲得するのでしょうか。
そこには5つのプロセスがあります。
①被害者となる対象を探し出す
②関係性を構築する
③周囲から隔離する
④性的な行為に馴れさせ実行する
⑤口止めをする
本書は、①~⑤それぞれの段階で加害者が使う代表的な声がけをピックアップし、
その言葉がけの裏に潜む加害者の心理と、
その言葉がけに従ってしまう被害者の心理を犯罪心理の専門家が解説します。
また、巻き込まれないためにどう考えたらいいのか、
そのヒントを提示しています。
少し立ち止まって考えてみれば、
大人が子どもに対してするのは変だ、
と気づける出来事かもしれません。
自分自身の「おかしい」「いやだ」に耳を傾けることが、
被害から身を守る第一歩。
被害者になり得る10代、20代の人や、
子育てをしている親御さんに伝えたい1冊です。
第1章 対象を探し出す言葉
シーン①「出身ってどこ?」
シーン②「(^^)/☻💛」
コラム1 手なずけの手口を罰する
第2章 対象と関係を築く言葉
シーン③「かわいいね。モテるでしょ」
シーン④「おれも!」
シーン⑤「教えてあげるよ」
シーン⑥「どう思ってる?」
シーン⑦「悩みを聞いてほしい」
シーン⑧「返信ください」
シーン⑨「会いたい、付き合って」
シーン⑩「話、聞くよ」
シーン⑪「おれ、会社経営してるから」
シーン⑫「君は特別だからだよ」
コラム2 トラウマって?
第3章 対象を周囲から切り離す言葉
シーン⑬「家の人はわかってくれてないんじゃない?」
シーン⑭「部屋、使っていいよ」
シーン⑮「おれがなんとかするから大丈夫」
コラム3 トラウマ出来事にあうと……
第4章 対象を性的行為に馴れさせる言葉
シーン⑯「(こちらが正しくて)君がまちがってるんだよ」
シーン⑰「ひざに手を置く」
シーン⑱「大人になれるよ」
シーン⑲「みんなやってることだよ」
コラム4 性被害にあった子どものサインと対応
第5章 対象による発覚を防ぐ言葉
シーン⑳「だれにも言っちゃだめだよ」
シーン㉑「君は、はずかしいことをしたんだよ」
コラム5 被害にあっているかもしれないあなたへ
付録1 身近な人やSNSで知り合った人とのやりとりで「おかしいな」とか「いやだな」と思ったことを書いてみよう
付録2 「いいな」と思う人やこれから交際を始める人との関係を4コマまんがにしてみよう
付録3 性被害の相談先