● 発行年月 | 2021年6月刊行 |
● 価格 | 定価 1,540円(税込) |
● 判型 | 四六判 |
● 装丁 | 並製 |
● ページ数 | 212ページ |
● ISBN | 978-4-86621-355-2 |
日本の伝統芸能である落語に登場する人物たちのなかでも人気のキャラクター、八つぁんや熊さん、与太郎、粗忽者……。彼らはみな一様にパッとしなかったり、馬鹿で呑気だったり、そそっかしくて失敗ばかりだったりする、ある意味「ダメ人間」。今の世の中であれば「弱者」「負け組」のそしりを免れないかもしれません。
でも、落語の世界では、コミュニティの中で彼らはとても愛され、大事にされているのです。つまりそれは、はみだし者でも弱者でも居場所があり、息苦しくない社会であったのと同時に、彼らならではの処世術があったということを示しているのではないでしょうか。
「立派に生きるべき」「何者かになるべき」という思い込みから、見えない何かに自分を縛り付けてしまっている人あなた、一度肩の力を抜いて、自分に優しくしてみませんか?
『教養としての落語』の著者で落語家の立川談慶氏が、彼らを引き合いに出しながら、仕事の場でも人間関係でも、そしてひとりのときでさえも「生き」苦しさに苛まれているあなたが、今の自分のまま、心穏やかに生きていくための考え方、心の在り方を伝えます。
近頃は互いを監視し、責め立て合うばかりの世知辛い世の中ですが、そうではなく、うまく謙遜し、世辞を言いながら互いを許し合う術を「粗忽者」たちから教わりましょう!
はじめに 今こそ”粗忽者”に学ぶ
第1章 粗忽者に学ぶ「人との関わり方」
職場やSNSの人間関係に疲れている/人に弱みを見せられない/思っていることを相手にうまく言えない/「嫌い」「許せない」と思う人がいる/人からの頼み事を断れない/人に嫌われているような気がしてしまう/他人の些細な言動が気になってしまう/人前でうまく笑えない
第2章 粗忽者に学ぶ「自分の許し方」
自分のことが嫌いで自信が持てない/うまくいかないのは全部自分のせいだと思ってしまう/誰からも理解されていないと思ってしまう/不平不満や愚痴ばかり言っている/人と比べて劣っていると感じてしまう/理想が高すぎて達成感がない/自分が我慢すればいいんだと思ってしまう/「自分らしさ」がよくわからない/友達がいないといけないと思ってしまう
第3章 粗忽者に学ぶ「仕事の考え方」
すべての事を完璧にしなければと思ってしまう/的外れなことばかりして空回りしている/毎日疲れていてモチベーションが保てない/将来に希望が感じられず焦燥感がある/先輩や上司との関係がストレス/休んではいけないと思ってしまう/悪くなくてもすぐ謝ってしまう/本当にやりたいことではない気がする
第4章 粗忽者に学ぶ「ひとりの過ごし方」
ミスをプラスの印象に転換しておく/自分の頑張りすぎに気づいてあげる/自分自身の強みや弱みを見つめ直す/「忘れスイッチ」を押す/頼れる人、話ができる人を探しておく/いらないもの、人、情報を捨てる/ひたすら寝る(何もしない)/自分で自分をほめる/ひとりでも笑う
第5章 粗忽者に学ぶ「生き方の哲学」
よいことも悪いこともすべては「縁」であることを忘れない/思っていることが伝わる「間」という魔法/「鈍感さ」があればたいていのことは気にならなくなる/失敗が怖くなくなる「開き直り」のしたたかさ/「バカ正直」は本来の自分を守るバリア/「人のせい」を上手に使いこなすと抱える荷物が減る/「自分相応」でいることが個性である/「粗忽者」として生きる
第6章 気持ちがふっと楽になる落語10選
①町内の若い衆/②金玉医者/③疝気の虫/④目薬/⑤花色木綿/⑥後生鰻/⑦大山詣り/⑧蟇の油/⑨初天神/⑩狸の札
おわりに